印旛沼水質保全協議会総会で昨年(2018年)の世界湖沼会議で講演した内容を紹介しました。

世界湖沼会議では、世界の中でも印旛沼流域が超学際(Transdisciplinarity)の実現としてはトップランナーであることを強調しようとして、話が抽象的になってしまったなと反省しています。今回は流域の首長、関係者への伝達ですので、なるべくわかりやすく話したつもりです。重要な点は、これからは住民と行政をはじめとするステークホルダー全体が目的、ここでは印旛沼の水環境を改善し、暮らしやすい地域を創ることの実現を共有し、協働するということです。行政がすべてを負って作業するということではないのです。これは困難な達成目標ではありますが、時代の追い風を目一杯受けて、活動を続けようと考えています。


近藤講演資料(PDF)

第17回世界湖沼会議いばらき霞ヶ浦が10月15~19日の日程で開催されました。世界湖沼会議は1984年に滋賀県で開催された「世界湖沼環境会議」の後身として、約2年ごとに世界各地で開催されており、霞ヶ浦における開催は1995年の第6回に続き2回目となります。2018年は「人と湖沼の共生―持続可能な生態系サービスを目指して―」と題して、人と湖沼が支え合う社会づくりについて、湖沼と関係性を持つ様々なステークホルダーが一堂に会して議論しました。近藤は16日の国内湖沼セッションにおいて、千葉県を代表して「千葉県、印旛沼流域における水循環健全化をめざした超学際の実践」と題した講演を行い、印旛沼流域で実践されている取り組みについて報告しました。印旛沼流域の市民、行政をはじめとする様々なステークホルダーによる水循環健全化、地域創りに関する協働は、Future EarthおよびSDGsにおけるTransdisciplinarity(超学際)の実践、Partnershipの実現の先駆けと言えます。流域に関わる様々なステークホルダーが同じ目的の達成を共有して実践する活動が、ふるさとの未来を明るくします。この行動に研究者も一人の人間として参加し、少し役に立つことが超学際の達成だと考えています。

(背景は印旛沼、北沼。遙か向こうに霞ヶ浦があるはず)