印旛沼、未来への可能性~印旛沼流域における谷津の機能と役割~

2018年12月1日、佐倉市立美術館4階ホールにて表記のシンポジウムが開催されました。主催のNPO水環境研究所は千葉県、特に印旛沼流域の水環境の改善に取り組む市民の団体です。 近藤は印旛沼流域の地史と地形変化、特に谷津の形成過程と、そこから推定できる谷津の地質構造について話しました。谷津は台地の地下水の流出の場であり、水循環をコントロールすることにより水質浄化、ここでは脱窒による窒素除去が期待できます。そこで、堀江政樹君(修士課程)はリモートセンシングを活用することにより、谷津の土地利用・土地被覆を水田、耕作放棄された湿地、市街地に分類し、地図で示しました。その結果を用いて、谷津が脱窒の機能を発揮した場合の窒素削減量を、農業流域である高崎川流域を対象にして、モデルを使って定量的に示すことができました。瀧和夫先生は市民・大学(東邦大学、千葉大学)協働で実施している実流域を対象とした研究成果から、谷津における水循環・物質循環の実態について報告して頂きました。このシンポジウムでは印旛沼流域で活動する市民や団体の方々と、谷津をグリーン・インフラストラクチャーとして機能させ、水質浄化を行うことの可能性、そのための超学際的取り組みの重要性について議論を行いました。