千葉市民文化大学で講演しました-地下水の活用と保護-


近藤講演資料

地下水は我々の足下にあり、最も身近にある水といえる。しかし、地下水のあり方、動態についてはあまり知られていないようである。地下水はどこか ら来 て、どこへ行くのか。循環の過程で、環境や人間とどのような相互作用をするのか。講義では最初に地下水の基礎的な性質について簡単に解説する。地下水を 駆動するポテンシャルとは何か。それによって形成される地下の流れの複雑さと規則性。講義の後には地形を見ると、地下の水の流れを想 像することができる ようになるだろう。地下水は降水、土壌水、河川水と姿を変えながら循環する水の一形態であり、循環の過程で様々な恵みや、時に は災いももたらす。湧水は地域の生態系や景観を形成し、人に安心を与える恵みだろう。湧水はどのようにして形成されるのだろうか。湧水は長年をか けて地形を形成する営力ともな る。地下水の循環は人の一生より遙かに長いのである。一方、人間活動により地下水の質が悪化することにより、いくつ かの問題が生じている。また、人が利 用しすぎると地盤沈下を引き起こし、居住環境を悪化させることもある。人は地下水をよく知り、うまく活用して いく必要がある。平成26年に成立、施行され た「水循環基本法」は、地下水を公共性の高いものと定義し、地域に応じた施策を策定、実施しなければ ならないと定めている。地下水を知ることが我々の喫 緊の課題になったといえる。