平成30年度九十九里地域地盤沈下対策協議会技術研修会
平成31年3月19日(火) 千葉県自治会館

九十九里地域地盤沈下対策協議会の技術研修会で干渉SARの話をしてきました。この協議会は千葉県が議長となり、関連する市町が地盤沈下対策に関する話し合いを行う場です。干渉SARは技術的にもこなれてきて地盤沈下の問題の現場に適用できる段階に入り、活用が検討されているわけです。このことは地盤沈下に関しては衛星による診断から、治療の段階に入ったといえます。治療のために必要な行為が協働です。地盤沈下という現象のリスクとメリット(地下水や天然ガスを我々は利用している)を包括的に俯瞰し、折り合いを付ける、すなわち資源の公平な利用を達成するために、あらゆるステークホルダーとの対話と協働が必要ということです。それが治療につながります。それはけっして地盤沈下を止めるというシンプルな行為が目標になるわけではありません。地盤沈下がもたらす現象の関係性、利害関係の複雑性を受け入れ、人と自然の折り合いをどこで付けるか、ということになります。その過程で科学者の役割も相対化されていきます。科学者は変わることはできるだろうか。

【プログラム】


 マイクロ波リモートセンシングの歴史、SAR画像の見方、干渉SARによる地盤変動抽出の原理、干渉SARによる地盤沈下観測のレビューに始まり、千葉県におけるSARによる地盤沈下観測について纏めました。

参考にさせて頂いた資料