千葉県立八千代高校模擬講義 12月14日(金)

 今回の模擬講義は高校における科目の地学および地理に係わる内容で構成してみました。ただし、八千代高校では地学、地理の授業が少ないことは残念ですね。まず、高校の学科にある“〜学”は内容が体系づけられていること、すなわち学ぶことが決まっているので、地学や地理は暗記が多くなりがちであるが、大学では内容が体系づけられていないことも学ぶ(環境分野が該当)、そして学んだ知識を応用し、社会に役立てることも考える点が大学の学問であることを強調してみました。

 2年生向きには「衛星から見た環境変動」として、主に地球温暖化に題材をとりましたが、地球温暖化を環境問題と捉えるときの姿勢について述べました。地球温暖化の影響のステレオタイプは温暖化とは関係ない場合も多いことを述べ、現在起こっている問題と将来起こるかも知れない問題を峻別し、今生きている人々の生活を守るにはどうしたらよいか、という点を強調したつもりです。

 1年生向きには災害を取り上げ、「土地の性質を知り、暮らしを守る」と題して講義を行ないました。地形学、地質学、地理学の成果を活用すると、土地の性質を理解することができ、安全な暮らしを担保することができる点を述べてみました。

 両講義とも、大学で学問を修得することの意味の理解を目指しましたが、環境問題や災害の観点から取り上げたことである程度の成果はあったのではないかと思います。反省点としてはプレゼンソフトを使うとどうしても内容を詰め込みすぎになることですね。話題を絞ってわかりやすい解説を心がけるべきでした。

 今回の事業では14の大学、専門学校から講師が派遣されていましたが、相互の交流ができなかったのは残念でした。今後、生徒の感想等を取りまとめてお知らせ願えれば、講義の改善に役立てることができると思います。

講義内容

講義テーマ(1) 衛星から見た環境変動 (PDF)

 地球観測衛星は既に30年以上にわたって地球の素顔を撮影し続けていますが、その中には様々な環境変動の証拠が記録されています。世界各地で起こっている環境変動について衛星画像を通して紹介し、その背後にある自然の営み、人間活動との関わりについて解説します。地理学の考え方である総合的な視点に基づき、地域を眺めると地球環境変動のステレオタイプとは違った姿が見えてくるかも知れません。

講義テーマ(2) 土地の性質を知り、暮らしを守る (PDF)

 最近災害に関する報道が多いとは思いませんか。災害をもたらす自然現象は避けられないかも知れませんが、被害は少なくすることができます。そのためには私たちが暮らす土地の性質をよく知り、それにうまく適応した生活を構築する必要があります。自然地理学の教える土地の性質が、私たちの生活を守る智慧であることを解説したいと思います。